ドクター・スリープ【映画】

DOCTOR SLEEP
2019年 アメリカ
マイク・フラナガン(監督)
ユアン・マクレガー、レベッカ・ファーガソン、カイリー・カラン、カール・ランプリー、ザーン・マクラーノン、クリフ・カーティスほか

新千歳空港を利用するとき、必ずといっていいほど食事をする店がある。
北海道ラーメン道場の一画にある梅光軒という旭川ラーメンの店だ。
で、バカのひとつ覚えみたいに醤油ラーメンのハーフを頼むのだが、これがおいしい。
とくにあのスープを飲むと、「B級グルメの帝王はこのラーメンかもなあ……」とつぶやきたくなる。
いや、ほかのラーメンを食べていないので、うっかりしたことは言えませんが。

さて、B級といえば、表題の映画。

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雪に閉ざされたホテルでの惨劇を生き延びたダニー(マクレガー)は、40年経ったいまも、父親に殺されかけたトラウマに苦しみ、酒に溺れ、悪夢にうなされる日々を繰り返していたが、一文無しになってたどりついた小さな町でビリーという親切な男(カーティス)に出会い断酒会に参加、住まいと仕事を手に入れる。そんなダニーのもとに同じ“シャイン”をもつ少女アブラ(カラン)からメッセージが届くようになり……

1980年にキューブリックが撮った『シャイニング』には納得しなかった原作者キングが、続編の本作にはオッケーを出したことが話題の作品。
思えば『シャイニング』にはキングのトレードマークともいうべきB級感がまるで見あたらないが、その点、本作はばっちりだった。
そもそもB級といえば低予算で作られた作品のことで、キャストの豪華さからみると本作はぜんぜんB級じゃない。
でも、私の基準では、ざっくりいって亡霊やゾンビの目が不自然に光ったらB級。
本作は、序盤、ファーガゾンの目が赤く光ったところで、見事B級入りを果たした。

B級ホラーのなかには、ばかばかしくて見ちゃいられない作品も少なくないが、本作は物語そのものにパワーがあって、152分の長尺にもかかわらず、最後まで前のめりで楽しむことができた。
それに、『シャイニング』とはまったくちがうエンタテインメント性を打ち出そうという心意気にも胸を打つものがあった。
もちろん、“見晴らしホテル”の再現も見どころのひとつになっていて、そのあたりのこだわりも見事に奏功している気がする。

まあ、キューブリックの『シャイニング』とちがって、超能力やゾンビといったホラーアイテムが荒唐無稽にすぎるきらいもあるが、それについては、私の想像力にも問題があるのだろう。
そう、フラナガン監督のフィルモグラフィーをチェックして、タイトルだけでクラクラしてるような人間に、ホラーを語る資格はないのかもしれない。
でも、監督、脚本、製作、編集すべてをひとりで手掛けているデビュー作『人喰いトンネル』(2010年)、ちょっと気になるかも……

これが梅光軒新千歳空港店の醤油ラーメン、ハーフサイズ
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実は東京にも支店があるのだが、あえて行かないことにしている。
年に一度会えるかどうか――というタナバタ的な距離感は大事にしたいところです。

この記事へのコメント

ごみつ
2019年12月29日 22:06
こんばんは。

「ドクター・スリープ」、私もそれほど期待してなかっただけに、その面白さにビックリ&大満足の作品でした。

そもそもキングの小説はB級ホラーテイストを目指しているものがほとんどなので、キューブリック版は、あれはあまりにもキューブリックの世界だったんでしょうね。

「ドクター・スリープ」は、今、原作も読んでいてもうすぐ終わるのですが、映画版がいかに時間枠のあるストーリーに見事に脚色してあったとか、キューブリックの「シャイニング」の世界をいかに上手に取り込んでいたか等がわかって、さらに感激しています。

ユアンも良かったしな~~。(*‘∀‘)
Balkan
2019年12月30日 01:21
ごみつさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

フラナガン監督、キャリアからみるとB級ホラー作品の盛り上げ方を熟知している感じですよね。
それに、キングもそうだけど、超常現象や超能力を語らせたら止まらなくなりそう……
そういうマニアックな情熱がほどばしる作品って、どうしてか引き込まれます。

そうそう、ユアン・マクレガーがすごくよかった!
『シャイニング』(前夜アマプラで復習)のダニーから、自然につながりました。
しかも、便器までかかえてくれてびっくりです。