永遠の門 ゴッホが見た未来【映画】

AT ETERNITY'S GATE
2018年 アメリカ/イギリス/フランス
ジュリアン・シュナーベル(監督)
ウィレム・デフォー、オスカー・アイザック、ルパート・フレンド、エマニュエル・セニエ、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリックほか

たまにでかける近所の定食屋は、メニューの数がハンパない。
何を食べるかおおむね決めてはいっても、壁にずらりと並ぶ黄色い短冊の品書きを見ると、あらためて迷いはじめることになる。
しかし、客の多くは壁には目もくれず、着席と同時に注文している。
席に着くまえに注文するつわものもいる。

まあ常連さんなのだろうが、こうと決めたら梃子でも動かないあの迷いのなさ、尊敬します。

さて、迷いがないといえば表題の映画。

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フィンセント・ファン・ゴッホ(デフォー)は画商の弟テオ(フレンド)を頼ってパリに出てくるが、絵の。彼は画家仲間のポール・ゴーギャン(アイザック)の「南へ行け」という言葉にしたがいアルルに移住、カフェの女主人(セニエ)の口利きで"黄色い家"を借りて創作をはじめる。やがてゴーギャンがやってきて一緒に暮すようになるが……

ウィレム・デフォーがめずらしく主役を演じてベネチアで主演男優賞を獲得した本作、手持ちカメラの不安定な映像にはかなり苦しめられたが、それに耐えて見続ける価値ありのおもしろさだった。

なんといっても、ゴッホの人となりが力強く伝わってくるところがいい。
もちろん、シュナーベルが考える"ゴッホの人となり"ということだが、伝記映画にありがちな遠慮や逡巡がまったく感じられない自信に満ちた語り口は、さすがシュナーベルとしかいいようがないのかも。

実は予告編を観たとき、耳に包帯を巻いたデフォーが自画像のゴッホのコスプレみたいでちょいと不安を覚えたのだが、流石はヴォルピ杯、作品のなかでは最初から最後までゴッホにしか見えなかった。
監督はこの配役について「デフォーしか考えられなかった」そうだが、「おいおい30代のゴッホに60代のデフォーかよ?」なんて迷わないところも、さすがシュナーベルなのだろう。

この日もアジフライ定食を食べるつもりではいったが
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注文したのは牡蠣フライ定食
まだまだ修行が足りません。

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