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zoom RSS 裏返しの男 【本】

<<   作成日時 : 2012/02/29 09:31   >>

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L'HOMME A L'ENVRES
フレッド・ヴァルガス(田中千春 訳)
2012年1月27日刊
東京創元社 ¥1000(+税)

ゆうべ、ふとテレビをつけたら俳優の火野正平氏が自転車で旅をする番組をやっていた。どこだろうと思って見ていたら、熊本だった。言われてみればたしかに熊本なのだが、実を言うと私、通りすがりのおじさんが熊本弁でしゃべりだすまで、勝手に南フランスと思いこんでいた。というのも、遠くに見えている阿蘇山が、セザンヌが描いたサント=ヴィクトワール山みたいだったから。いやあ、セザンヌに見てもらいたかったなあ、阿蘇山。

それはさておき、表題の本は天才的な勘のよさで事件を解決する警察署長アダムスベルグのシリーズ第2弾。奇しくも(?)フランス南部の山あいの村が舞台となっている。

山村の牧場で羊がつぎつぎに噛み殺される。どうやら狼の仕業らしい。が、首に残された歯形がばかに大きい。女牧場主シュザンヌは狼男の存在を主張するが、そうこうするうちに彼女も何者かに首を噛まれて殺され、シュザンヌが狼男と目していた無毛症の男マサールの姿が見えなくなる。シュザンヌと親しくしていたカミーユ(アダムスベルグの元恋人)は、シュザンヌが息子としてかわいがっていた黒人青年ソリマンと、長年シュザンヌに雇われていた老羊飼いハリバンとともに、マサールのゆくえを追って旅に出るが、そこにはさらなる事件が……

ヴァルガス作品の何がすばらしいといってそれは人物造形。出てくるのは風変わりな人ばかりだが、それぞれに不思議なリアリティがあって、話し声がちゃんと聞こえてくる。

捜査の鍵を握っているのがアダムスベルグの“天才的な勘のよさ”なので、謎解きの部分はやや強引と言えなくもないのだが、とにかく人物がよく描けているので、「あの男ならさもありなん」という大らかな気持ちで読み進めることができる。

思えば彼女の作品って、セザンヌの絵に通じるものがあるかも。いやあ、好きだなあ、ヴァルガス……

裏返しの男 (創元推理文庫)
東京創元社
フレッド・ヴァルガス


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