マイレージ、マイライフ 【映画】

UP IN THE AIR
2009年アメリカ
ジェイソン・ライトマン(監督)
ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック他

キャリアカウンセラー(=リストラ宣告人)として年間300日以上を旅先で過ごすライアン(クルーニー)は、「バックパックにはいりきらない荷物はもたない」という人生哲学の持ち主。煩わしい人間関係を嫌って、結婚を拒み、姉妹とも疎遠にしている。ところが、ふたりの女性との出会いをきっかけに、結婚や家族について考えさせられることに……

邦題にも示されているように、ライアンはいわゆる“マイラー”で、過去に6人しか達成していない千万マイル獲得まであと少しというところにきている。が、この設定がどうもしっくりこない。まず、彼がマイル獲得に血道を上げる理由がさっぱりわからない。百歩譲ってなんらかの理由があるとしても、そういう人は色男にはなりえない気がする。もしかして、行きずりの恋しかできない男が、特定のエアラインに操を立てるという皮肉を笑えということだろうか? だとしたら、“マイラー”と“色男”、双方のメンタリティーを獲得するにいたった経緯はきちんと説明してくれないと……

それはべつとしても、ライアンの描き方には甘さが目立つ。「人間関係は煩わしい」と言いながら、彼はリストラを宣告する相手にも、新人研修でついてきた生意気な女の子にも、面倒な頼み事をしてくる妹にも、けっこう優しい。自慢じゃないが、上司や兄にあんなに優しくされたこと、私は一度もない(と、こんなところひがんでどうする)。心境の変化をきわだたせたければ、もっと非情な男に徹してくれないと…… 

というわけで、なんだかボタンをかけちがえたみたいな映画だったが、シビアな結末だけは、ちょっと気に入ったかも。


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック