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zoom RSS 湿地 【本】

<<   作成日時 : 2012/08/17 17:52   >>

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MYRIN
アーナルデュル・インドリダソン (柳沢由美子 訳)
2012年6月15日刊
東京創元社 ¥1700(+税)

久しぶりで近所の日帰り温泉に行き、露天風呂にはいろうとして、思わず「ヒャッ!」っと声を上げてしまった。「クールダウン風呂」ということで、湯温が30℃くらいに下げられていたのだ。たしかに涼しくはあるが、水着なしで温水プールにはいっているみたいで、なんだか落ち着かない。いくら暑くても、温泉はやはり温かくないと……

さて、温泉といえば、表題の本は、かねて一度訪ねてみたいと思っている温泉大国アイスランドの警察小説。

レイキャビクのノルデュミリ(=北の湿地)地区にあるアパートで老人の他殺死体が発見される。衝動殺人を思わせる手口ながら、現場には謎めいた3つの言葉が残されていた。レイキャビク警察犯罪捜査官のエーレンデュルは被害者の過去に着目し、部下とともに調査をすすめるが、そうこうするうちに、おぞましい事実と意外な容疑者が……

アイスランドの小説を読むのはたぶん初めてだが、期待どおり(?)、ジメジメした陰気な話だった。

そもそも、主人公の私生活の苦悩がただごとではない。ヴァランダー刑事(スウェーデン人)やリーバス警部(スコットランド人)も相当な苦労人だが、エーレンデュル警部の艱難辛苦はさらにその上を行く。新宿鮫など「なーに苦労人ぶってんだか」と鼻であしらわれそうな凄まじさだ。

しかし、果てしなくジメジメしつつも話の展開が軽やかなせいか、するりと読了。文学作品と呼ぶには重厚さに乏しい気もするが、変にもったいぶらないところは、むしろ好感がもてたかも。

エーレンデュル警部のシリーズは、本国ですでに11作上梓されていて、これはその3作目なんだとか。正当派警察小説としてなかなか魅力的な作品だし、アイスランド的なあれこれが垣間見える貴重なテキストという意味でも、次作「緑衣の女」の刊行が待ち遠しいかぎりである。


湿地
東京創元社
アーナルデュル・インドリダソン


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コメント(2件)

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お久しぶり! 私もこれ読もうと思ってるんだ。タイトル通りジメジメした話なんだね。でも、もったいぶらないってのはとっても好感が持てる。
Mari
2012/08/17 23:18
Mariさん、こんにちは!

そうなんです、思いっきりジメジメしていますが、意外にサクサク読めました。伏線回収が速いからでしょうか? あるいは、もうちょっとタメがあったほうが……と思う向きもあるかもしれませんが、私にはありがたかったです。なにせ、ただでさえ粗末な記憶力が、この暑さでたいへんなことになっているので。
Balkan
2012/08/18 06:14

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